2023.07.09PR

【コラム】膣が一切感じない女性とのベッドインの話

子供の頃、『ドラゴンボールZ』を観ていると、かめはめ波が通用しない敵が出てくる回があり、純粋だった僕は衝撃を受けました。「これは絶対効くだろ」と思っていたものが通用しないって、相当なショックだったのです。

さらに18歳になって田舎から関東に出向いたとき、自分の方言のせいで標準語を使う人たちと意思疎通ができない場面にしばしば遭遇すると、これもまた大きなショックを受けたものです。同じ日本人同士なのに、ここまで会話が成り立たないのか、と。

それから僕はアナウンスの学校に通って標準語をどうにか習得したのですが、それでもたまに「何言ってるか分かんないよ」と言われることがあるんですけどね。

冒頭から取っ散らかった話をしちゃいましたが、要は自分の力が及ばない瞬間、人はかなりの無力感に苛まれるって話です。

たとえばそれはセックスにも該当するんですよね。

writer：
松本ミゾレ

挿入したのに......。悲しみのベッドイン

いきなりこんなこと言うのもどうかと思うんですけど、女性って膣が感じるじゃないですか。そりゃ当然ってぐらいに前戯して、挿入してってなるとやっぱりみんな喘ぐもので。

だから、喘がないっていう状況は基本的に考えられないんですよね。喘がないってことは感じないってことですからね、膣を。

でも、過去に一度だけ、僕はそういう女性に出会ったのです。

19歳の頃、僕はパチンコ店の社員をやっていました。

あるとき小田原に転勤になって、そこでアルバイトの人たちとまあそれなりに仲良くしていたのですが、その職場に髪の毛サラッサラで色白の、日本人形みたいな女の子が新人バイトで入ってきたんですよね。

で、たまたま休憩が被っちゃって色々と話していたんですが、気づくとシフト明けに僕がその子をアパートに連れ込んでまして。それでセックスするって感じになったんです。若いですよね。

脱がせてみるとものすごく肌がきめ細かくて、陶器みたいな質感をしていたのが印象的でした。「こげん肌ば綺麗かおなご、見たこつねえ！」とか思ってしまいましたね。

前戯も一通りしあって、いざ挿入してみるというくだりになったのですが、ここで問題が生じます。

挿入したのに、全然リアクションがないのです。膣に入れて、感じないなんてそんなことある？　と思ってしまい、「自分のアレが小さいのか......」と愕然としたのは言うまでもありません。

なんだか、自分だけ気持ちよくて頑張ってるのが滑稽に思えて、非常に申し訳ない気持ちになったのでした。

膣は元々感じない、そんな女性がいたなんて

結局その夜はお互いにイクこともなく寝たのですが、気まずかったのですね。

あんなモロに膣が感じない様を見せ付けられたのは。

「もう会わす顔がねえよ」とか思っていたんですが、翌日も仕事を終えてアパートに戻ると、なんとその子が玄関前に立っています。そこで「今夜こそ」と思ってまたセックスしたのですが、感じない膣をどうこうすることは、やっぱりできませんでした。

結局それがトラウマみたいになって、以降は部屋に連れ込むこともしなかったんですよね。そうこうしてるうちに僕は僕でホームシックになっちゃって会社を辞めて、地元に帰ることにして、その女の子も後々、同じ職場のバイトリーダーの柚木さんと結婚しました。

ほどなくして、その柚木さんから電話がかかってきたんですよね。もう僕も会社を辞めて結構経ってたので、風の噂で膣が感じない子と結婚した話は知っていたので、その報告か、あるいは「お前俺より先に何手を付けてんだよ」みたいなイチャモンかと思い、後者ならば「うるちゃ～～～い！」と絶叫してやろうと思ったのですが、いざ電話に出てみると柚木さんの声はどことなく元気もなく......。

開口一番「ねえ、松本くんって俺の奥さんの元カレだよね？　聞きたいんだけど、あの子って挿入したとき感じた？」と言うのです。僕はその瞬間にすべてを察し「いえ、感じない系女子でした。膣は濡れてるし具合もいいけど、感じるのはこっちばっかりでしたね」と返したんですよね。

直後に大きなため息が聞こえました。それから「そうかぁ〜やっぱり。あー俺が小さいだけかと思ってた。なんか安心したわ～」との声。彼もまた同じだったようです。

彼女が全く悪くないことは当然なのですが、それでも挿入時にノーリアクションというのは男性は自信を失ってしまうものなのです。