
女性用風俗10年目のセラピストが語る、業界のリアルな変化 ストロベリーボーイズ大阪店・江戸川レオさんインタビュー【前編】
ナイトライフ
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オトナのハウコレ編集部
10年ほど前までは"女性用風俗"と聞くと、「なんだか怪しそう」「後ろめたいイメージがある」と感じる人が多かったのではないでしょうか。
しかし最近では、利用者数や店舗数の増加とともに、その存在はじわじわと世間にも認知されるようになってきました。
この業界に10年携わってきた、ストロベリーボーイズ大阪店の江戸川レオさん。その間で女性用風俗業界にはどのような変化があったのでしょうか。
女性用風俗業界のリアルな変化と、レオさんが大切にしてきた施術への想い。お話を伺うと、そこにあったのは「性を満たす場所」だけでは語れない、意外なほど奥深い世界がありました。
目次
セラピスト歴10年。転々としてきたお店で見えてきたもの
【ストロベリーボーイズ大阪店 江戸川レオさん】
―女性用風俗(以下・女風)の仕事に携わり、10年というレオさん。そもそも、セラピストを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
江戸川レオさん(以下、レオ):自分がこれまで経験したことがなく、これからも経験しそうにないことをやってみたい、と思ったのがきっかけです。
―2016年から約10年、女風業界に携わっているそうですが、これまで在籍したお店を振り返って、それぞれどんな特色がありましたか?
レオ:最初のお店は「風俗」という色が強く、研修もほとんどないまま手探りで働いていました。女性向け風俗というカテゴリーがほぼ存在していなかった時代のお店なので、今思えば、存在していただけでもすごいことだったと思います。
二つ目は女性オーナーが監修する、良くも悪くも洗練されたお店で、私自身も店づくりに携わりました。目的意識や悩みを抱えた方が多く利用される一方、お店として女性性やマイノリティなど、性差の意識が端的に強すぎる面が垣間見える店舗でした。
キャストとしては性よりもまずは人として個を尊重したいこと、また普遍的な価値観とでバランスを取ることで難しさを感じるお店でした。
―お店やセラピストによって、客層に違いはあるのでしょうか?
レオ:お店のカラーによって、キャストの方向性も決まりやすくなります。お客様側も、お店の打ち出し方やキャストのSNSを見て利用を決めるので、結果的に「似た者同士」がマッチングしていく感覚に近いですね。
―今のお店に移った理由や決め手は何だったのでしょうか?
レオ:どのお店に行っても、女風セラピストとして大切にしたいポリシーは変わらないと感じました。その上で、自分が本当に「ストロベリーボーイズ」が好きだということ、伸び伸びと自分のしたいことを表現できそうだと感じたことから、今の店に行き着きました。
後ろめたさから、当たり前の選択肢へ——女風業界のリアルな変化
―10年間で、女風業界にはどのような変化があったと感じますか?
レオ:SNSなどのメディア露出が増え、女風を認知し利用する方が増えたと思います。一昔前は『イケメンに性的に満たしてもらう場所』という意味合いが強かったですが、利用層が広がるにつれ、心を満たすことを目的とした利用も増え、目的が多様化しました。
今ではカウンセリングや独創的な世界観など、複合的なサービスが求められる場所になり、『推し活』文化の一つに加わりつつあるのではないでしょうか。
―特に「ここ数年」で急激に変わったと感じることはありますか?
レオ:キャストの顔出しや露出が、著しく増えたように感じます。利用者が増えたことで、風俗で働くことへの後ろめたさを感じるキャストが減った、社会的な浸透の表れなのかなと。
―お客様の年齢層や利用動機は、10年前と今で違いはありますか?
レオ:経験則ですが、年齢層は今も昔も幅広く、10代後半から60代後半まで。利用動機は、昔に比べて「カジュアルに性を楽しんでみたい」という方が増えました。
昔はニッチな世界だったからこそ独自に調べて飛び込んでくる方が多かったですが、知名度が伸びた今は、気軽な動機の方が増えています。
―SNSや口コミサイトの普及で、集客やお客様との関係性はどう変わりましたか?
レオ:サービスの可視化が進み、集客性はより良くなったと感じています。事前にイメージを持ってお越しになる方が増え、SNSを介して気軽にメッセージが取れるので、昔以上に距離感は縮まったのではないでしょうか。
―逆に「10年前から変わっていない」と感じる部分はありますか?
レオ:「誰にも言えないことを話したい」という需要は、今も昔も変わっていないと思います。誰かに話したいけれど、誰でもいいわけではない。
そんな場が身の周りにない。センシティブな悩みを、利害関係のない相手に打ち明けられる場は、社会的にかなり限定的だと思います。24時間自由に性や自分自身のことを話せる場というのが、如風の唯一無二の強みではないでしょうか。
―施術に対して、こだわっている部分はありますか?
レオ:空間の演出にはこだわりを持っています。お客様がその日理想としているものに没入できる空間を再現できたらいいなと。
ホテル代まで含めると120分コースで2万円を超えることも多いので、大手アミューズメントパークで感じるような感動に近い体験があってもいいのではと思っています。もちろん女風なので、官能的な体験ではありますが(笑)。
―具体的には、どのような施術を行っているのでしょうか?
レオ:さまざまな施術ができますが、本格的な美容エステを経て自然な形で性感パートへ移行していく施術が得意です。マッサージと性感を切り分けるより、自然な流れの中で気持ちの高揚を感じてほしいからです。
―なぜ、そのような施術スタイルができあがったのでしょうか?
レオ:2次元・3次元を問わず、さまざまな成人作品に触れてきたことが大きいと思います。施術を一本の「物語」として捉えると、そこには起承転結がある。
まずは相手が安心できる会話から始め、心地よいと感じる空気感を探りながら、少しずつ世界観を共有していく。
また、与えられて生まれる興奮よりも、自分自身で快感を拾いにいく能動的な興奮のほうが、より深い体験につながると考えています。そうした体験を追求する中で、自分なりのスタイルができあがっていきました。
―施術に活かすために、勉強してきたことはありますか?
レオ:生理学やマッサージ技術、心理的な接客術はもちろん、それ以外のさまざまなジャンルのアミューズメントも実体験してきました。
思いがけない知識がお客様の役に立つこともあったので、先入観を持たず身をもって体験してみるのがいいのかもしれません。
―経験を重ねる中で、施術のスタイルや考え方が変化したポイントはありますか?
レオ:特に大きく変わったのは「人の身体を見る目」だと思います。学校教育や医療の現場では教えてもらえない、身体の個人差についての疑問を持つお客様も多くいらっしゃいます。
10年続けてきたことで、さまざまな女性の身体に触れる中で知識を重ね、ある程度根拠を持ってアプローチできるようになりました。「人それぞれ身体も感じ方も違う」という当たり前のことを、より深く実感しています。
―逆に、昔から変えずに大事にしていることはありますか?
レオ:「お客様が本当にしてほしいこと」を大切にすることです。長く続けていると自分のできることは増えますが、大切なのはあくまで目の前のお客様が何を求めているか。
お話だけしたいならお話だけでいい。「できること」と「するべきこと」は別だということは、これからも変えずに大切にしたいです。
新人セラピストの研修を通して感じたこと
【講習の様子】
―新人育成や業界の未来について、どのように考えていますか?
レオ:10年この仕事を続けてきて、「経験してきたことを次の世代にどう渡していくか」を考えるようになりました。
女風は技術だけを覚えれば一人前になれる仕事ではなく、「自分はどういうセラピストになりたいのか」を自分で考えられることが重要だと感じます。
だから新人育成でも、答えを教えるだけでなく、自分なりの答えを見つけられるキャストを育てていきたいです。
業界としても、それぞれが個性や強みを活かせるようになれば、利用者にとっても選択肢が広がるのではないでしょうか。
―新人セラピストの研修で感じることはありますか?
レオ:愚直に続けられる方、業界に定着するキャストの少なさに困惑することがあります。個性も人それぞれなので、一人ひとりとの向き合い方に一苦労します。学校や塾の先生ってこんな気持ちだったのかなぁ、とたまに思います(笑)。
―研修を通して、続けられる人と辞めてしまう人の違いは何だと感じますか?
レオ:強固な想いや目標があるかどうかだと思います。「稼ぎたい」が入口でもいいのですが、それだけではなかなか続かない世界です。
女風はSNSで発信し自分をプロデュースしていく必要もあるので、言語化や自己表現が不得意だとハンデになるのも実態です。
「この仕事を通して自分は何を得たいのか」、そこがある人ほど続ける理由を持てるのではないでしょうか。
―新人セラピストには、どういう心構えで仕事に向き合ってほしいですか?
レオ:「どんな自分になりたいか」を、漠然とでもいいので思い浮かべてみてほしいです。そうすると、自然と今やるべきことが定まってきます。
また、「女性」という部分に意識が向きすぎてしまいがちですが、その前にまず自分自身が「男性」であり一人の「人間」であることを理解することが大切だと思います。
―自分が新人だった頃と比べて、今の新人に足りないもの・優れているものはありますか?
レオ:性経験が少なかったり、探求意欲がなかったりするケースがあります。SNSや性コンテンツの発展、コロナ禍で性コミュニティが閉鎖的になった背景があるのではないでしょうか。一方で、情報収集力やスマホの使い方はすごく上手いと感じます。
入口は性でも、その先にあるもの——10年目のセラピストが伝えたいこと
―女風業界自体、今後どのように変化していってほしいですか?
レオ:どうしても「売上至上主義」にシフトしていっているように見えますが、それだけを追い続けると、利用者様もセラピストも疲弊してしまいます。
金銭的な価値だけでなく、そこで得られた体験や感動、経験値など、もっと多面的に評価される業界になっていけばいいと思います。
―レオさん自身は、今後この業界でどうなっていきたいですか?
レオ:今よりもさらに密にお客様と触れ合えるセラピストになりたいです。目まぐるしく変わる業界ですが、大切な本質は変わらないので私は私でいたい。また、若手の教育にもさらに専念していきたいです。
―10年間この仕事を続けてこられた理由と、そこで得られた気づきを教えてください。
レオ:最初は右も左も分からず、粗相をしたこともありました。それでも関係各所やお客様、業界に助けられながら続けてこられた。単純にラッキーだったのだと思います。
当時はまだ女性向け風俗自体が定着していなかったからこそ、「こんなサービスを始めたら、お客様はどう感じるだろう」と試行錯誤すること自体が楽しかったんです。
「続けてきた」というより「面白そうだから挑戦してみる」を繰り返していたら10年経っていた、という感覚に近いかもしれません。
一番大きな財産は、「人を観ること」「人の話を聴くこと」だと思います。対面したときのちょっとした変化から、その人の状態を推察できるようになりました。
女風は第三者に介入されない一対一の時間だからこそ、人が普段見せない部分に触れる機会も多い。それが、「人は思っている以上に、いろいろなものを抱えて生きている」と知れたことにつながった気がします。
―最後に、伝えたいことはありますか?
レオ:10年間続けてきて、女風に対する自分の考え方もかなり変わりました。最初は「性を提供する仕事」という側面が大きかったですが、たくさんの方とお会いする中で、身体や性のことだけでなく、恋愛や悩みなど、いろいろなお話を聞いてきました。
入口は性であっても、そこから先に得られるものは人によって全然違う。今は、女風を「性を提供する仕事」だけでなく、自分自身を知るきっかけを提供できる場でもあると思っています。
もし誰にも言えなかったことがあったり、自分の身体や性についてもう少し知ってみたいと思うことがあれば、女風を一つの選択肢として知っておいてもらえたら嬉しいです。
(後半へ続く)
店舗情報
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