アイコン 女性用風俗に必要なのは「嫌だったら逃げられること」――SPA White店長・あす香さんインタビュー【後編】

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女性用風俗に必要なのは「嫌だったら逃げられること」――SPA White店長・あす香さんインタビュー【後編】

「アイラインへのタッチなし」という女性用性感マッサージ『SPA White』の店長を務めるあす香さん。これまでの経歴と、女性用性感マッサージ店を開こうと思ったキッカケをお聞きした前半(「性器にタッチしない女性用風俗」をオープンした理由とは)に引き続き、後半は女性向け風俗店の難しさと、抱えている問題点について、お聞きしたいと思います。
――男性向け風俗と、女性向けの風俗って、基本的には同じですか、それともはっきりとした違いがありますか?

あす香:基本は同じですけど、性感マッサージに関していえば、女性向けの場合は、男性向けので働いている女の子の8倍くらいのスキルが必要だなって思います。

――それはなぜでしょうか?

あす香:女性心理のほうが、複雑なんです。男性向け風俗のキャストさんは「まぁこれくらいできればいいよね」っていう感じでお店に出して、あとはお客さんに育ててもらうことができるんですけど、女性向けは一切それが許されない。

なので、研修に研修を重ねて、それで、この人だったら、女性を満たせることができるってところまでいかないと、現場には出さないですね。講師の立場からして、うちの店で働く男性セラピストたちに求めているものは、すごく高レベルだなって思いつつ、でも、中途半端な形では絶対に出さないです。

――『SPA White』には、エステ業界も風俗業界も長いあす香さんの、お墨付きのセラピストの方たちしか所属していないっていうことですね。ちなみにセラピストさんは何人くらいいらっしゃるんですか?

あす香:いまデビューしているのは10人ですね。うち女性が2人で、東京と関西で活動していまして、東京が8人、関西は2人。北海道福岡名古屋も展開予定です。

――セラピストの方たちの年齢層って

あす香:20代前半が2人、中盤が3人、30代2人、40代以上が3人ですね。

――好みの年齢のセラピストを選べるのは、女性は嬉しいと思います。せっかくだから若い人がいいって人もいれば、熟練した年上の男性がいいって人もいますし。あと、以前に女性用風俗について、ヒアリングしたことがあるのですが「嫌だったら逃げられる風俗」って答えた方がいて。

あす香:それ、すっごい大事なんです。なので、初回のご利用の方に関しては、電話で事前にご挨拶を兼ねてお話をする場を設けていますが、「当店は、マッサージ屋さんなんですけど120分、マッサージを受け続けなくてはいけないってことは、ありません」と伝えております。

「女性の気持ちは変わりやすいので、『今日はハグがいいかも』と思えばハグに、『お話がいいかも』といえばお話、『ゲームやりたい』っていうならゲームをしていただいて。逆にもっとマッサージして欲しいっていうならば、あなたの言葉で伝えてください。セラピストは、それをきちんと受け止めるように教育されていますから」ってお伝えしています。
 
――普通のマッサージって、コースが決まってて、それを全部受けなくちゃいけないのかなってありますもんね。

あす香:そう。でも、うちはある意味で、マニュアルがないんです。最低限のルールと、こうしたら女性が喜ぶよっていう文言と、マッサージの技術だけを与えて、あとは目の前の女性を見てくださいって、しつこいくらいそれしか言ってないです。その分セラピストは大変だと思いますけどね。
――セラピストは、ご自身で応募されてきた方たちなんですか

あす香:そうです。これがまた、たくさん来るんですよ。2日に1回くらいは応募がありますね。ビックリするくらい応募はあります。

――女性向け風俗で働きたい男性って多いですよね。ネットとかでも、個人で店を開いているような方もおみかけしますし。

あす香:求人に応募してくる方に理由を聞くと、だいたい3つ。「女性に触りたい」「俺のスキルアップをしたい」あと「女性を満たしたい」って人ですね。うちの店が求めているのは3つ目です。女性に触りたいなら風俗に行けばいいし、スキルアップしたいなら、私が別にやっている風俗テクニックの講習に来てくれればいい。

そのためにお客さんがいるわけじゃないんで。女性を満たしたいって人は「これまで女性に応援してもらったから、お礼に尽くしたいんです」とか「女性は一生懸命で、いつも頑張ってるから、性的なこととは別に、女性のことが気になってしまう」とか、そういう人です。逆に、個人でやってるオジサンは、うちのセラピストみたいなタイプはだいぶ少ないと思いますよ。

――あくまでも献身が大元にあるんですね。ほかに選考基準で大切にしていることってありますか?

あす香:私B専なんですよ。私の趣味だと、色黒でマッチョで目が一重で垂れ目ってなる(苦笑)。でも、そういう人はあんまり面接にこないし、女性客からとっても、そういうルックスの人ってマイナスで。なので、採用するセラピストは、自分の趣味とはかけはなして、一般的な目線で採用しています。

――ルックスは重要視してるんですか?

あす香:してますね。清潔感は大事ですし、あと年代によっても違って、若い20代のセラピストは、40代に比べると包容力が少ないので、例えばABCでわけるとAランクのイケメンしかいないです。若くてクソガキだと最悪なので、若くても芯があって落ち着いてるAランク。

かといって、40代がルックスが劣っているかっていうと、そういうわけでもなく、うちのお店はみんなわりといい顔をしていますよ。そこは注意しています。あとこれも大切なんですが、自分が満ちてない人は他人を満たせないんですよね。すぐに伝わっちゃう。だから内面を見ての人材確保が大切ですね。

――プレイの流れってどんな感じなんですか? 

あす香:まずはホテルに先に入室いただくか、ホテルの周辺や駅でセラピストと待ち合わせをす
るか、お客様に決めてもらいます。女性側にだいたいこのホテルを利用しようかなって決めていただくか、男性と一緒に決めていただくかで、ホテルに入って、まずは問診を書いていただきます。 

その間に、セラピストが湯舟にお湯を溜めて、準備が出来たところで、湯舟に浸かって、セラピストの準備が整うまで、ベッドでお休みいただきます。事前に紙のTバックと紙のブラジャーをお渡ししていますが、ブラジャーはつけてもつけなくても大丈夫だっていう説明もしてあって、ブラジャーをつけている方に関しては、そこはもう触りません。もちろん、途中で取ってもいいです。

――シャワーの後、どんな格好をすればいいのかって悩みそうなので、決まっているのはありがたいです。

あす香:セラピストもシャワーを使わせていただいて、浴び終えたらベッドにお邪魔するんですけど、最初は会話だったりハグだったりとコミュニケーションを取る時間です。コミュニケーションが取れてきたら、うちはマニュアルがないので、必ずってわけじゃないんですが、まずは背面のマッサージです。

その後に前面のマッサージですね。オイルはナチュラルな、自然のオイルを使っています。最後にもう一度、シャワーを浴びていただいて、解散という流れです。120分コースをご利用される方が、最近は一番多いですね。
――利用するのに身分証とかって必要だったりしますか?

あす香:必要ありません。初回のご利用時に、年代は聞いてますが。18歳未満は利用ダメですし、18歳以上でも高校生のご利用はお断りしてます。いただくのは電話番号とメールアドレスだけですね。
 
――オープンして3か月ちょっとですけど、どれくらいの方がご利用されてますか?

あす香:4月・5月・6月はそれぞれ10人くらいで、それが7月になって、25名 8月は30名ぐらいのご予約を頂戴しました。 

――それではすごいですね! リピートする顧客ががっしりついたっていうことでしょうか。

あす香:リピートは4割くらいですね。でも、そもそもが女性向けなので、1か月に一度くらいのリピートになるんじゃないのかな。店のスタンスとして、そういうふうに使っていただきたくて。セラピストにも、ホスト的な営業はまったくしないようにと伝えてありますし。

――利用する側からすると、そこはちょっと怖いところです。

あす香:女性の人生が崩れちゃうのが嫌ですからね。ホストにハマってダメになっていく姿を見てきているので。「リピートさせなくていい」って言い方は変だけど、うちの店を利用してくれて、癒しを得たその上で、現実世界に帰って生きられることが非常に重要だなって。

例えば、とあるお客様なんですけど、いままで男性と触れ合う機会が少なくて、服装も男性っぽくて、ガサツな生活をしていたのに、あるセラピストに施術を受けたら、女性として目覚めて「最近、服とかオシャレしてるんですよ~」なんて声をいただいたりして、「あー、よかったなぁ」とか。そこの部分、そこの目的を達成したいから、あんまり中でリピートさせてってことは考えてないんです。

――その女性が、よりよい人生を送れるように進める最初のステップとして、存在していると。

あす香:そうですね。あくまでもそれのお手伝いをさせていただくくらいの立ち位置でいたいと思います。経営者的にはどうなのって感じですけど……でも、お金お金あんまりしたくないというか。よくも悪くも女性用風俗を利用するのって、人生にメスを入れるのかっていうくらいとても勇気のいることだと思ってて。

でも、現実的に女性用風俗が100%安全安心で遊べるかっていうと、そうじゃない。実際に私も、膣に指を入れられて、出血したのを隠されたり、非風俗を謳っている女性向けのオイルマッサージ屋さんのセラピストが途中で脱ぎ始めちゃって。

で、非風俗だからどこまでがサービスなのかなってずっと見てたんですけど、ちょっと過激すぎるんで、オーナーさんに連絡したりとか。後から、その店は、枕営業があるって噂も聞きました。そもそも男女の脳の差が違うので、女性がハグだけで満たされることを知ってる男性オーナーが少ない気がしますね。

――ハグされたら当然、次は胸を揉まれたいんだろって思ってそうですよね。

あす香:そう。そういう意識を変えていくっていうことを、『SPA White』を通じてやっていきたいですね。『SPA White』が女性が満たされる場所になればいいなって思ってます。

――本日は貴重なお話を聞かせていただいて、どうもありがとうございました。(大泉りか/ライター)
『SPA White(スパホワイト)』公式HP:http://spa-white.jp/
料金はホワイトダイヤモンドコース(性感マッサージ)が100分14000円~。詳しいシステムなどはこちらから。
ツイッターアカウント:https://twitter.com/SPAWhite0414

あす香(アスカ)
美容の専門学校卒業後、外資系のエステティックサロンに勤務。それと並行して風俗業界に入り、性感マッサージを実地で学ぶ。その技術が変われて風俗講師となり、今年の4月に女性専用性感マッサージ『SPA White』をオープン。CIDESCOを始め、国際マッサージ資格を5つ持つ。

(オトナのハウコレ編集部)


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