「性器にタッチしない女性用風俗」をオープンした理由とは――SPA White店長・あす香さんインタビュー【前編】
ナイトライフ
PR大泉りか
この頃、耳にする機会が増えてきた「女性用風俗」。男性用に比べて、まだまだ数自体が少ないですし、利用者の声を聞く機会も少ないのが実状です。
いったい何をしてもらえるのか、どういう人がお相手してくれるのかといった疑問はもちろん、そもそも、多く存在する中から、どのお店を選べばいいのかも、悩ましい。
それを知るためには、お店の特色を知るのが一番。というわけで今回は「アイラインへのタッチなし」という女性用性感マッサージ『SPA White』の店長を務めるあす香さんにお話を伺ってきました。
アイラインにタッチしない理由とは?
――『SPA White』の一番の特徴としては、アイラインにタッチしないっていうところですよね。それはなぜですか?
あす香:大前提として、アイラインにタッチしなくても、身体の感度を高めることができる技術を持っているっていうことがひとつ。もうひとつは、性器に触れることって、良くも悪くも影響力が強いんですよね。女性の気持ちは変化しやすいので、悪い方に転んだら嫌だなっていうのがあって。
――悪い方っていうと。
あす香:その場の雰囲気で、アイラインを触れられて満足しても、「わたし、なんであの時、股を開いてしまったんだろう」って、後からくる罪悪感みたいなのを覚えるのは避けたいなって。
――ああ、わかります。一時の欲求に流されてしまって、後悔したことって、あります。
あす香:男性の場合は、美人に手コキされたら嬉しいんですよ。でも女性って、いくらイケメンの友達に手マンされても嬉しくない。そこに感情が伴っていないと。アイラインって、男性が女性のことを愛おしく大切に思っていて、かつ、女性もその男性を愛おしくて大切だって思えて、それで初めて触っていいって場所なんじゃないのかなって思うんです。
私も女性向け風俗で、何軒か行くお店があるんですけど、施術者がいくらかっこよくて優しくても、いざ舐められた時は「うーん、舐められてるなぁ」としか思えないんですよ。さして盛り上がりもないのに、それで傷ついてしまう女の子がいるのは絶対に避けたい。とにかく安心安全を考えた時に、アイラインはいらないなぁって。
セックスは性器だけのものではない
――なるほど。けど、アイラインに触れないで気持ちよくするって、どういう技術なんでしょうか?
あす香:まんことチンコの先を見てるっていうか……例えばわたしは、手コキ風俗の講師も、長くしているんですけど、じゃあ、手コキのお店にお客さんは何を求めてくるのかって。手コキだけじゃないんですよね。
寂しくて来たのかもしれないし、女性に愛されたくて来たのかもしれない。そういう、エロの先を見てます。女性も、女性用風俗って名前がついているからエロっぽく感じるけど、そういうお客さんはすごく少なくて、そうじゃないニーズもある。
わたしは、エロはコミュニケーションのツールだと思っていて、エロを求めている理由に近づくと、アイラインへのタッチがなくても感じるっていうのが発生します。
――具体的にはどういうアプローチになるんですか?
あす香:女性に落ち着いてもらう、安心してもらうために、まずはそれに合った速度と圧のマッサージをします。人が感じる場所って、人体解剖学的に決まってるんですよ。そこを軽めのタッチでなぞってあげてっていうのが具体的な、アイラインにタッチしない性感マッサージです。
――なるほど。確かに性感帯って、局部だけじゃないですもんね。
あす香:そう。あとは、話を聞くとか、ハグをするとか、手をつなぐとか、人間として受け入れられるとか、そういうことですね。女性って生きにくいっていうか、すごく頑張ってると思うんです。そこを男性が受け入れる、褒める、認める、慈しむ。うちのお店は、そういうお店です。
――目的はオーガズムじゃないんですよね。
あす香:オーガズムを得るためには、癒しと安心感が絶対条件にないと。だから、癒しを安心感があった上で、ご利用される本人がオーガズムを求めていたら、イクかもしれません。
――ようするに、何かしらの絶対にイク技みたいなのを使われて、「イカされちゃう~!」っていうのはないといいますか。
あす香:それはないですね。
――そもそも、アイラインタッチなしでイクっていうと、どうやってなのかなっていう疑問もあって。脳イキとかですかね。
あす香:脳イキする人も、見たことはありますけど。けど、最近、脳イキって言葉が、うろちょろしてますけど、そもそも男性でいえば、チンコしごいたら射精するわけじゃないよって。
「チンコをしごかれました」っていう命令が脳にいって、脳が気持ちいいって感じるから、射精する。すべて司っているのは脳なんです。だから、そもそもセックスが、チンコとまんこの性器だけのものっていう概念がない。
キスだってハグだってセックス。セックスってこう、イクといかイかないとか、部位で感じるものじゃなくて心で感じるものだと思います。けど、それを勘違いしている人が多いから、みんなつらい思いをしてるんです。「セックスレスなんです」とか、「最近勃ちが悪くて」とか「濡れにくくて」とか。
――性器から自由になってみることで、心と身体との、トータルでの満足感を得られるんですね。
女性向けのエステをしながら、男性向け性感エステで働いていた
――しかし、あす香さんは、なぜこういった女性用性感マッサージのお店を始めようと思ったのでしょうか。そもそもの経歴を教えていただけますか?
あす香:表の顔は、18歳の時に、美容の専門学校に入学して、美容師免許だとか、エステの国際免許とかいろいろ取得して、それで20歳から2年間半くらい、バストアップ、痩身、フェイシャルなんかを手掛ける美容系のエステティックサロンの社員として、施術者で働いていました。
フランス系のエステの会社で、百貨店とかで勤めてたんですけど、22歳を過ぎた後から独立して個人のサロンを開いたっていうのが表の顔です。
――フランス系で百貨店にあるエステサロン! そこで培った技術があるって、安心感につながります。
あす香:はい。それで、裏の顔……最近はこっちが表の顔になりつつあるんですけど、20歳で専門学校を卒業するくらいに風俗業界に入りまして。性感エステでしか務めたことはないんですが、いわゆるオイルマッサージをした後に睾丸とか回春技をして、最後は手コキフィニッシュっていうお店で働き始めて。
そのお店で、たまたま講師が少なくて、わたしは本業がエステティシャンだっていうので、講習員やらないかって言われたのが21歳くらい。そこで講師兼プレイヤーをやっていて、22歳半で表の顔で個人サロンを始めたんですけど、そこにたまたまソープのおねえさんが施術を受けに来たんですよ。
それで、「わたしも風俗をやってるんです」って話をしたら「オイルマッサージを教えて」ってなって、それでフリーの風俗講師も始めることになりました。途中出産したりして、現在は4店舗の講師を勤めています。
新人さんが入った時とか、スキルアップしたい時とかに、男性の身体を借りて「ああだよ、こうだよ」と指導をしたりとか。あとはフリーで、ソープや性感の女の子にオイルマッサージや睾丸マッサージを教えたりする傍ら、4月から『SPA White』を始めたって感じです。
『SPA White』をオープンしたきっかけ
あす香:去年の11月に、いまはうちの大阪店のメンバーをしているレオ――当時は別の女性向け性感のお店に勤めていたんですが、彼とTwitter で知り合って、「無料だから一度受けにきてよ」って誘われたんです。
無料だったらいいし、彼のツイートを見る限り、「この人、身体に詳しそうだから、お願いしようかな」って思って。それで、施術が終わった後に、こんなに満たされる感覚初めてだって思ったんです。
わたし、リラクゼーションサロンとかエステとか、勉強も兼ねてよくいくんですが、それにプラスした感覚、彼の施術には、幸福感があったんです。
――ただのエステやリラクゼーションサロンにはない幸福感が、性感マッサージにはあったと。
あす香:そうです。そこから、「女性が満たされるって何だろうなぁ」って考えるようになって。それで、今年の年始に「今年は何をしようかな」って思った時に「あっ、女性用の性感マッサージだ」って。私の人生目標に、女性の性の悩みを聞きたいとか、女性が幸せになるものを提供したいっていうのがあるんです。女性用性感マッサージならば、その目標も叶えられそうだし、自分は性感エステの技術持っている。
それを男の子に教えたらいいよねって思って、1週間後くらいには、求人を出して動き始めて、それで今年の4月14日にHPオープンとお客様に告知をしました。(大泉りか/ライター)
店舗情報
料金はホワイトダイヤモンドコース(性感マッサージ)が100分14000円~。詳しいシステムなどはこちらから。
あす香(アスカ)
美容の専門学校卒業後、外資系のエステティックサロンに勤務。それと並行して風俗業界に入り、性感マッサージを実地で学ぶ。その技術が変われて風俗講師となり、今年の4月に女性専用性感マッサージ『SPA White』をオープン。CIDESCOを始め、国際マッサージ資格を5つ持つ。