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「エロに消極的」な私が、AV女優を続ける理由 AV女優・乃木蛍インタビュー 

ナイトライフ

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久留米あぽろ


現在デビューから2年目、20歳のセクシー女優・乃木蛍さん。もともとAVの制作に興味があったという彼女ですが、周りのあと押しで演者としてのデビューを決意したと言います。

もともとコミュ障で「人の目を見て話せない」「人見知りしてしまう」「エロに積極的なタイプではない」という状態でデビューした彼女は、AV女優としての2年間で何を得たのでしょうか。一人の少女がエロに向き合い、どう成長したのかを取材しました。

人嫌いでコミュ障だった少女が、AV女優になった理由


ーーもともとはAV制作を目指されていたんですよね。デビューのきっかけはなんだったんですか?

高校生の頃から地下アイドルが好きだったんですけど、たまたまヲタ友にAVメーカーのADさんがいたんです。その人の制作秘話を聞いていて、面白いなと思ったのがきっかけでした。


それまで実家が厳しく、AVは見たこともなかった。でも、周りにAVのADになりたいんだという話をしていたら「まずは女優志望で面接してみたら?」と勧められて。ぶっちゃけ興味本位で「まあ受からないだろ〜」という感じで面接してみたら、受かっちゃったんですよ(笑)。


ーーけっこう行き当たりばったりだったんですね。AVは見たこともなかったとのことですが、不安はありませんでしたか?


あまりなかったです。もともと、家が厳しいことへの反発もあって、コスプレイヤーとして活動していたこともあって。


私はコスプレではじめて、自己承認欲求みたいなものを満たせたんです。正直女優になれる自信はなかったけど、かわいがってもらえるかも、ちやほやされてみたいかもという期待がありました。


ーー性格的にも、知らない人と交流したり、かまわれたりするのが好きだった?


いや、そんなことなかったと思います。デビュー当初は私、すごいコミュ障だったんですよ。もともと人と話すのが怖かったし、写真を撮るにもカメラ目線できなかったり、下を向いてしか話せないような人間でした。だから、遠くで笑ってくれている地下アイドルたちが大好きだったんです。


最初はカメラ見て笑えないわ、しゃべればどもるわで大変だった。自分のダメなところに向き合わなきゃいけなくなってはじめて、メイドカフェに通って会話の練習をしたり、自撮りをしてみたりと、今まで自分ではしてこなかったことを実践できるようになりました。

最近は、デビュー当時取材してくれたライターさんたちに久しぶりに会うと「乃木ちゃん、コミュ障治ったね! すっごい喋れるじゃん」って言ってもらえるようになったんです。今まで、自分に近づいてくる人が何を考えているのか分からなくて、いつも怖かった。


でも、イベントでファンの人と交流して、自分に純粋な好意を持ってくれている人と話す機会が増えて、自分の素をさらけ出しても、自分を認めてくれる人がいることを知ったんです。今はイベントでトークしたりもできるし、プライベートで仲良くできる人も増えました。

人前で裸になってみて、はじめて自分を受け入れられた


ーーAVを見たことがなかったと言っていましたが、実際に女優になってみてどうですか?

私の場合は、女優になってからはじめて、セックスを好きになれました。それまでは彼氏になる人もアイドルヲタクの人が多かったんですけど、経験人数が少ない人ばっかりだったから、前戯もちゃんとしてもらえなくて。


自分本位なセックスをされて、気持ちいいと思ったこともなかった。私は女優になってやっと、前戯のあるセックスをしてもらえたんです。


それに、自分のコンプレックスも受け入れることができるようになりました。それまで私、自分の胸にコンプレックスがあったんです。自分の大きくて色の濃い乳輪が嫌いだった。


小ぶりでかわいいピンクの乳輪の人が羨ましくて、セックスする時もいつも隠していた。でも、AVを見てくれる人にもすごいいろんな好みがあって。私みたいな胸がすごく好みって思ってくれる人がいることを知れたんです。


それまで私は、裸になることもセックスすることも怖かった。異性に大切にされたこともありませんでした。でも今は、そういう自分を受け入れてくれることを知ったから。私、女優になって人間的に成長できたんです。


ーーじゃあ今は、エロにも主体的になれている?


いや、それはそれで難しくて。AV女優ってエロが好き、性に主体的なのが当たり前だって思ってる人も多いと思うんですけど、私は今でも性的な話を知り合いにするのが恥ずかしいし、自分から責めるのも、隠語を言うのも苦手です。


でも、女性全体で見ればそういう人も多いんじゃないですかね?セックス自体は好きになれたけど、行為や性に主体的になるのが恥ずかしいのは直らないなあ〜、性格だから。


女優さんの中にはどんどんセックスを追求していく人もいるけれど、私は……青姦とかすごい興味あるけど、プライベートでは絶対できません。


慎重で冷静な性格だから、先に理性が勝っちゃう。見られるリスクとか、衛生的かとか……ていうか、そういうリスクがある行為やセックスを、疑似体験できるのがAVだから。自分が危ないことするのが怖い人のために、AVがあるんですよ。


ーーセックスは好きになれたけど、性やエロに対して積極的に見えるのはやっぱり恥ずかしい。そういう女性、多いかもしれませんね。


今まで足りてなかったことを補うことができたから、セックスが好きになれてよかったとは思ってるんですけどね。


撮影で強制的に相手の目を見なきゃいけなくなったから、目を見て話すことはできるようになった。それに、相手の動きやアイコンタクトで、空気を読んだり気持ちを察することができるようにはなりました。


人として大事なことは学べたけど、私は多分「エロの追求」には消極的な方なんだと思います。でも、ファンの子にもそういう子はいるし。興味はあっても恥ずかしい、別に無理して変わらなくてもいいのかなあと思っています。

AV女優は言いづらいことも相談できる「みんなの保健室の先生」


ーー乃木ちゃん自身、エロに消極的だと思いながら、どうしてこの業界に身を置き続けているんですか。

うーん。自分と似てる人と交流できるからですかね。私はAV女優だけど、エロに積極性や探究心は持てない。でも、ファンの人にもそういう人ってけっこう多いと思っていて。


ファンの子たちは、エロいことに興味はあるけど、友人にはオープンに話せないから、私に絡んでくれるんだと思うんですよ。


私も同じだから、そういう人たちと一緒にいると気持ちが楽です。ファンの子たちと興味があること、気になっているけどできないことをシェアするのが楽しい。


ーー乃木ちゃんのエロに対する価値観って、限りなく一般の女性に近い価値観なのかもしれませんね。


そうかもしれないです。私自身、AV女優としてセックスを経験しなかったら、エロに興味はあっても一生セックスは好きになれなかったかもしれないし。


私、今でも自分や他人のAVは恥ずかしくてあまり見れないし。だから、YouTubeで「猥談バー」っていう人の猥談を集めている動画を見たり、SNSで自分のハメ撮りをアップしている人の動画とかを見て「こんな人もいるんだな」って興味を深めたり、安心したりしています。


ーーエロに興味はあるけど、積極的になれない女性たちに伝えたいことはありますか。


エロに対して、オープンに発言できる世の中にはなってきているけれど、恥ずかしい気持ちは認めてあげていいと思います。


自分じゃリスクがあって実践できないような秘めた願望は、AVで発散してくれたら嬉しいです。そういう楽しみ方でなら、女性もAVを手に取れる機会はあると思う。


それに、AV女優さんはフォロワーさんと積極的に交流してくれることも多いから。性やセックスに関して気になること、不安なことは、私たちに聞いてください。


私もInstagramではよく質問募集とかをしていて、恋愛相談や性のお悩みに回答しています。AV女優って、みんなの「保健室の先生」になれると思っていて。人に言えないことも相談しやすい職業の人たちだと思うから、気軽にSNSで声をかけてみてください。


取材中、常に笑顔で会話してくれた乃木ちゃん。人見知りだったという姿は、そこからは想像がつかないほどでした。AV女優ではありながらも、性には積極的になれないという乃木ちゃん。


だからこそ、自分と同じような人の不安を拭いたいという気持ちから、SNSで性や恋愛に関する相談に乗っているそうです。身近な人に言いづらいこと、まずは乃木ちゃんに相談してみては?(久留米あぽろ/ライター)


(オトナのハウコレ編集部)

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