アイコン セックスのあらゆる問題を解決する唯一の方法とは?【セックスコラムニスト・BESTYさん『新しいセックス』出版記念インタビュー】

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セックスのあらゆる問題を解決する唯一の方法とは?【セックスコラムニスト・BESTYさん『新しいセックス』出版記念インタビュー】

オトナのハウコレで性について発信している、セックスコラムニストのBESTYさん。

セックスについて何年もの間、Webでの発信を行ってきた彼女が9月2日に新しいセックスという書籍を出版しました。

セックスに限らず、男女の性にまつわる問題に関して、オープンな意見を提示してくれるBESTYさん。

オトナのハウコレ読者の中には、彼女のコラムを読んだことはあっても、彼女がどんな人かは知らない、という人も多いのではないでしょうか。

なぜBESTYさんは、性について情報を発信しているのでしょうか?

今回は、書籍についてインタビューすると同時に、彼女のパーソナリティーについてもお伺いしました。
「実は、文章を書くのは全く好きじゃないんです」

セックスコラムニストとして活動しているBESTYさんは、インタビューの最初にそんなふうに自己紹介してくれました。

――ではなぜ、セックスコラムニストとして活動しようと考えたんですか?

BESTYただ、とにかく物心つく頃から、性に関する興味関心が、人以上に強かったんです。家では父や兄弟のエロ本を漁って読んだり、家族に隠れてエロサイトを覗いたり。

とにかく、エロいことが好きだったんですよね。

大学生くらいの頃には、女子同士自分のエロ話を持ち寄って女子会をしたりするようになるじゃないですか。

そういうのもすごく楽しくて、大人になってもこれをし続けたいと思ったんです。私にとって今の仕事は、あの頃笑いながら話した、下ネタの延長線のようなものなんです。

――「日本に性における現状を変えたい!」みたいな感じではないんですね。

BESTYもちろん自分の大好きな下ネタで、誰かの心を救うことができるならそれも素敵なことだとも思っています。

そもそも下ネタって、世代も性別も問わず、多くの人が共通点を感じながら話せるテーマだと思うんです。

下ネタをもっといろんな人としてみたい、下ネタがもっと盛り上がればいいという、そんな些細な気持ちからスタートしました。
BESTYただ、実際にセックスコラムを書きはじめてみると、それまでは気づかなかった性の多様性に気付かされた部分はありましたね。

自分にとって当たり前なことも、他人にとっては恥ずかしいこと、言いづらいことである時もある。

コラムニストを続けるうちに、その多様性と、人々のセックスにまつわる問題の傾向がわかってきました。今回は、その気付きを書籍にまとめさせていただいたんです。

――人々はセックスに対して、どんな悩みを持っているのでしょうか?

BESTY悩みの具体性はもちろん様々なのですが、相手とのコミュニケーション不足がほとんどの原因なんです。

セックスレスも、相手の性器の機能に関する問題も、結局は相手に気持ちを伝え、コミュニケーションして解決するしかない。それなのにみんな、赤の他人である私に「どうしたら改善しますか」と聞いてくる。

女性向けのコラムではずっと「話し合いが大切です」と話していましたが、男性から寄せられる質問も「相手の女性に直接聞くべき」な悩みが多いです。

セックスの問題って何が起きたとしても、男女ともに、お互いの問題なんですよ。

なので今回、セックスにおけるコミュニケーションの仕方から、セックス中の細かい部分まで、セックスの新しい教科書のようなものをまとめさせていただきました。

――具体的には、どんなお悩みが寄せられることが多いのでしょうか。

BESTY女性のお悩みは「彼がしてくれるセックスが、自分の思っているセックスと違う」というものですね。

本当はこうしてほしいけど、それが言えないとか。一言言えば伝わることだとしても「相手にどう思われるかわからない」ということを不安に感じている人が多いです。それで「自分さえ我慢すれば」と苦しんでしまう。

男性からは「自分のやり方が合っているかわからない」といったお悩みもよく聞きます。

セックスは男性がリードすることが多いので、手マンやクンニ、挿入なども、自分がリードして完璧にこなさないといけないと思っている人も多いです。

その重圧で、ED気味になったりになったりと機能面に問題を抱えてしまう人も。

――たしかに、誰でも一度は悩んだことがありそうな悩みですね。

BESTYでもどちらも、解決方法は相手次第じゃないですか。性器の形はそれぞれ違うから、手マン方法に絶対の正解はないですよね。相手への伝え方だって、相手の性格によるところも大きいです。

だから結局は相手と話し合うしかないんですけど、その一言をとても不安に感じる人が多いようなんです。だから、目の前の相手ではなく、まずは一般論を聞こう、と考える人が多いようです。

――日本人は「自分が他人からはずれていないか」を気にしますから、なんとなく流れはわかりますが。

BESTY:私は海外セックスセラピストの発信も参考にしているのですが、意外とアジア圏以外でも「性に関することをパートナーとすり合わせるのは難しい」と考えている人は多いようなので、国民性に関わらず、みんなが悩んでいることではあるんですけどね。

それでも、解決方法はただ一つ。相手とコミュニケーションすること、なんですよ。

――なるほど……。でも、そのコミュニケーションが「セックス」というテーマになると、とたんに難しいと。

BESTY気持ちはわかりますけどね。好きな相手だからこそ、嫌われたくないと考える人は多いですよね。

書籍にも書いてあるのですが、まずはスモールステップを踏んでいくしかないと思います。

急なタイミングでセックスの問題を切り出すのではなく、日常的に段階を踏んで話し合っていくといいと思います。
――話し合いができないことで、パートナーとの関係にどんな問題が生まれるのでしょうか。

BESTYまず、話し合いをせずに問題が解決するケースはレアです。それどころか、こうして一般論をネットに求めすぎることで、セックスにおける勘違いがむしろ広がってしまうこともあります。

今はセックスや性に関して情報を発信する人も増えていますが「個人の主観」を一般論のように話している人もいます。

もちろん、個人の主観も一つの意見としては大切ですが、その認識を持って情報を取り入れていかないと、その人の中に「虚構の正しいセックス像」が出来上がってしまいますよね。

――その情報を過信してしまうのは危険そうですね……。

BESTYわからないから、まずは調べようというのはいい姿勢だと思うのですが、性に関する情報は個人差が大きいので、医師監修の記事も読んでみたり、本屋で買う本も取り入れてみたり、いろいろな場所からエビデンスを得ることが重要ではないかと思います。

――一つ調べたいことがあった時に、いくつかのページで意見を見てみるのはインターネットリテラシーの基本ですもんね。

BESTYそうなんです。オトナのハウコレ内でも、一つのテーマに何人ものコラムニストが記事を書いていると思うんです。

それぞれ性別も年齢も生への関心レベルもそれぞれだと思いますが、だからこそ、いろいろな意見を取り入れつつ「自分ならどうするか」を考えるようにするといいと思います。
――ネットで情報を得た後に、やっぱり相手にも意見を聞くのがベストということですね。

BESTYそうですね。ちなみに今回の『新しいセックス』に関しては、0から100の経験値の人に合わせられるよう、細かいことも省かず明記するようにしています。

性の情報は経験値も情報量も人それぞれで、なかなか人と比べられるものでもないので、自分が知っている情報とすり合わせることに使ってみてもいいと思います。

――擦り合わせる機会がないからこそ、すれ違いや間違いが起こりやすいんですよね。

BESTYそれこそが私が、この本を通して最も伝えたかったことの一つです。

これが正解かもと思っても、相手と実際に対話したりコミュニケーションを取ってみると、実際は違ったりすることも多いです。小さいことでも、ひとりで思い込まずに、相手に言葉で確認することって、すごく大切なんですよ。

「男だからリードしなきゃ」「女だから控えめにしなきゃ」と、自分の性に囚われてしまっている人もいます。

でも、それは好きな人とのセックスで、つらい思いをしてまでがんばる必要があることでしょうか?

お互いが心をオープンにできると、セックスだけでなく日常生活の関係もよくなります。嫌なことがあっても、ちゃんと隠せずに言ってくれる人だと伝わると、相手言いづらいことがなくなります。

インターネットの意見や世間的には少ない意見でも、ふたりにとってよければ、問題が問題でなくなることもある。

令和なんだから、セックスだって決まりごとに左右されすぎず、自分らしい形を2人で見つけられるカップルが増えることを願います。
人一倍セックスも好きだというBESTYさんの願いは「みんながセックスでハッピーになること」

筆者もハウコレ内でコラムを執筆していますが、私たちができるのはそのお手伝いです。性に詳しい我々の意見を参考にしつつ、目の前のパートナーとの幸せは、2人で考えていきましょう。(ライター/久留米あぽろ)

(オトナのハウコレ編集部)


BETSY(著)喜田 直江 (監修)

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