アイコン 「今日はどれを付ける?」 コンドームソムリエAiさんが語る、ゴムを選ぶ楽しさ【後編】

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「今日はどれを付ける?」 コンドームソムリエAiさんが語る、ゴムを選ぶ楽しさ【後編】

セックス時の必需品、コンドーム。避妊や性感染症を防ぐ効果だけではなく、最近ではプラスアルファの機能が付随され、コンドームを着けることで、“より気持ちいいセックス”が実現出来るようなものも、多く販売されています。

けれども、とにかく多種多様ゆえに、何をセレクトすればいいのかがわからない。そこで、性感染症の予防と男女の性生活力向上を目指し、実物を触って嗅げるコンドーム試触会のプロデューサー兼コンドームソムリエのAi(アイ)さんに、お話を聞くとともに、オススメのコンドームをご紹介いただきます。

快感をアップする“潤いを与えてくれる系コンドーム”を紹介したピックアップに引き続き、後編はさらにさらに、刺激的なコンドームが登場いたします。

▼前編はこちら
――潤い不足の解消以外にも、着けることで、さらにセックスを楽しめるようなコンドームってありますか?

Ai:ありますよ。マンネリを防止できるコンドームをいくつか持ってきました。

――コンドームでマンネリ防止! そんなことが出来るなんて。ぜひ知りたいです。



Ai:さっそくこちらから。マンネリ打破といえば『スパイラル』ですね。これは輸入系のコンドームで、日本ではG PROJECTさんっていう、アダルトグッズを製造販売している会社から、販売されています。

これは、すごくおもしろくて。まず見てもらうとわかると思うんですけど、立体デザインなんですよ。シングルとダブルがあるんですが。

 
<左:ダブル/右:シングル

Ai:それぞれダブルは両捻りで、シングルはひと捻りしてあるんですが、結構特徴的ですよね。

――わっ、すごい、これ、めちゃくちゃおもしろい。こんなコンドーム、初めて見ました。

Ai:不思議な形ですよね。これをどういう型から作っているのかとか、なぜこれを思いついたのか、とか、すごく気になりますが、これはインドの女医さんが13年間かけて辿り着いた人間工学デザインらしくて。

シングルのほうを、ちょっとぐるっと回してみますね。

 

――あえて不均一な形になってるんですね。これ、何がどう快感をアップさせるんですか?

Ai:このひとひねりが男性のカリにすごくフィットするらしいんですけど、女性側からすると、変形パンチを受けている感じがするんです。

――変形パンチとは?

Ai:パートナーとの付き合いが長いと、結局のところ毎回、同じモノじゃないですか。それが素手のパンチだとすると、パワーグローブでパンチされているような感じ。「えっ、この当たりはいったい。お前が誰だ?」みたいな

――ようするに、違う人のペニスのように感じると。

Ai:そうそう。

――それは、すごく刺激的ですね。

Ai:付き合いが長いカップルとか、たまには違う刺激を求めたい人には、オススメです。男性のほうもこの不思議なくぼみが気持ちいいらしいので。

――これは使ってみたいと思いますよね

Ai:そういうふうに、普段は付けない人でも「これちょっと付けてしてみたくない?」っていうのはやっぱり、つける理由にひとつなるって思うんですよ。


Ai:さて、次はジェクスさんの『激ドット』です。

――名前がすごいですね。なにがドットなのでしょうか。

Ai:同部分に細かい粒があるんです。こういった加工のしてあるコンドームは他にもあるんですが、『激ドット』の特徴はこの粒の突起が高い。

――触ると、かなりざらついているのがわかりますね。

Ai:「刺激が強すぎる場合がございます、ご注意ください」って注意が書かれています。それくらい突起が固い。だから、塗られている潤滑ゼリーの量もけっこう多い。

――ほぼアダルトトイに近いコンドームですね。

Ai:そう。パワーを借りて女性をさらに高みへと導きたい男性用ですね。

――実際に、女性的には、こういう突起物のあるコンドームっていいんですか?

Ai:わたし、実はコンドームに突起物がついてる意味ってわかんなかったんですよ。でも最近は少しわかってきました。例えば、表面がつるつるしたコンドームって、感触でいうと手の平で撫でられている感じなんです。

でも、粒だと点になるので、指先を立てて撫でるような当たりになるんです。ちょっとやってみてください。

(手のひらで手の甲を撫でた後、立てた指先で手の甲を撫でる)

――あっ、本当ですね。全然違う。指先だと刺激が強いです。同じく手の甲を撫でるのでも、感触的にまったく違う。

Ai:感触が変わるのがミソなんです。だからこれも別人系コンドームですね。自分でひとりでは、女性をイクところまでもっていけない早漏の人でも、この力を借りて、先に女性を気持ちよくできるわけじゃないですか。だから男性にとってもエフェクター系のコンドームなんです。

――これは男性側も気持ちいいんですか?

Ai:突起物の当たりはあんまりないんですよ。でも内側にも、密着系のジェルが入っているので、ナマでしているような粘膜感がある。なので、男性側も気持ちいいそうです。

――それはいいですね。アダルトトイとしてのコンドームって立ち位置があるのもおもしろい。

Ai:そう。コンドーム=義務感って思っている人に、コンドームは、プロテクターだけじゃなくて、エフェクター的要素があるってことを知ってもらって、おもしろく楽しんでもらえたらいいなって思っています。

いまって、性的同意が話題にもなっていますが、日本人って、どうしてもコミュニケーション下手っていうか、そもそもセックスに対して、コミュニケーションを取ることに慣れていない。

けれど、これから「性的同意を取る」っていうのがスタンダードになっていくであろう中で、「このコンドームを使ってみない?」っていう一言は、同意を取るアクションになりますよね。

同意を取る会話例のひとつとして、さらには、きちんとコンドームを着けることが前提として話が進んでいくっていう、両方の効果を持っている。「今日は何を使う?」って話し合うのも、前戯になると思うし、そういう意味で、すごくいろいろ、ちょうどいいと思うんですよ。コンドームって。

――なるほど。「両者ともに、傷つかないセックス」には、コンドームの役割は大切だし、欠かせない。

そんなコンドームの啓蒙イベントが、Aiさんの主催する「コンドーム試触会」ですが、具体的には何をするんですか?

Ai:前回は今年の2月にやったんですが、昼を女性限定にして、夜は男女混合で。イベントの前半は試触会で、わたしが用意していったコンドームを、みんなで触ったり引っ張ったり、匂いを嗅いだり。


Ai:後半は、ラブジュエリー研究家の紫陽花さんや、助産師で精神科のナースのシオリーヌさんをゲストでお呼びして、それぞれ、お悩み相談だったり、性を明るく話ような講義をしてもらいました。イベント要素もありながら、ちゃんと後ろに学びをくっつけています。

――でもたしかに、実際に触ると、すごく違いもわかるし、興味も湧いてきますね。

 Ai:そう、女性はとくに、触ったものをつい買ってしまう心理がありますよね。逆に触るまでは、いくら文字で書かれたスペックを読んでも、なかなか心が惹かれないし、動かないんですよ。

なので、いろんな種類もコンドームを触ってもらって「これならわたし、使えるかも」っていう納得すると、それから自分で買って使う習慣を持ってもらえる。

ちなみに、試触会の一番人気は不二ラテックスさんの『SKYN』っていうコンドームです。

――へー! どういう点が人気なんですか?

Ai:触ると明らかに他のコンドームとは違った感触で、ずっと触っていたいというか。ちょっと触ってみてください。

――うわー、これはムチムチですね。

Ai:『SKYN』は、0.06ミリなのでそこそこ厚いんですよ。でも、ちょっと引っ張ってみてください。ほら、すごく柔らかいんです。

――わぁ、餅のようだ。全然ゴムじゃない。これは餅!

Ai:『SKYN』は、第三のコンドーム呼んでて、なぜかというと、素材がイソフレンラバーという新素材なんです。天然ラテックスではない。なので、ラテックスアレルギーの人も使える。医療用手袋とか、カテーテルとかに使われている素材で、とにかくすごく柔らかくてしっとりしてる。

性交痛の原因って、濡れが少ないことか、もしくは、ゴム擦れによる痛みなんですけど、後者の場合、『SKYN』は、ゴムにしては摩擦しにくく、ポリウレタンよりも柔らかいので、痛くなりようがないですね。男性も、フィットするので、薄くないのに気持ちいいらしいんですよ。まさに第二の皮膚ですね。

――なるほど、そういうアプローチもあるんですね。

Ai:そう。ここ数年ずっと、どっちが薄い論争があったわけですよ。サガミVSオカモトで。そこにやってきた黒船が『SKYN』です。

――Aiさん的には、国産のものを推したいってあるんですか?

それはとくにはないけど、クオリティと薄さでいったら日本のものが、質も高いです。OKを出す基準が高くて、安全性も高い。

――なるほど。それに日本製を応援したい気持ちもありますよね。ただ、この『SKYN』は気になります。

Ai:そうですね。パートナーが変わると、推しのコンドーム、わたしは「推しコン」って呼んでるんですけど、それが変わったりもするんです。なので、ひとりが使っている意見が正しいわけではないから、私だったらの指標としても見てもらって、それで、わたしはどうかなっていうふうになってもらえるといいと思うんです。

――次回のコンドーム試触会の日程も決まっているそうで。

Ai:はい。2019年5月6日の月曜日、祝日です。ゴムの日ですね。場所は錦糸町のシルクロードカフェで、参加者全員に、発売したばかりの商品も含む超豪華なコンドーム詰め合わせをプレゼントします。ゲストにはAV男優森林原人さんも登場します。ぜひ皆さん、いらしてくださいませ。

――ゴムの日、まさに相応しい日取りですね。

Ai:それと、7月に大阪での試触会も予定しています。場所などは、Twitterで告知しますので、ぜひ関西にお住まいの方はチェックしてください。

――地方遠征! 関西にお住まいの方には嬉しい情報ですね。それでは最後に、何か一言お願いします。

Ai:たまに「ゴムアレルギーだから、コンドームが使えない」って男性がいますが、ラテックスにアレルギーがあるのならば、ポリウレタンかイソフレンラバー使えばいいんです。

ラテックスアレルギーだからってつけない理由にはならない。女性には、「あっ、じゃあポリウレタンなら使えますね!」っていう切り返しができる知識を持っていて欲しいです。

――そうですね。それ本当に大切だと思います。今日はどうもありがとうございました! 

(大泉りか/ライター)

コンドームソムリエAi
性感染症の予防と男女の性生活力向上を目指し、実物を触って嗅げるコンドーム試触会のプロデューサー兼コンドームソムリエ。 昼間は保健室の先生。

(オトナのハウコレ編集部)

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