アイコン 「性器でイクより、もっと気持ちいいことを」 SMの女王様がM女性向け風俗をオープンした理由【前編】

2018.06.14

「性器でイクより、もっと気持ちいいことを」 SMの女王様がM女性向け風俗をオープンした理由【前編】


「実はSMに興味がある」「SMをやってみたい」という密かな願望を抱いている女性も、実は多いのではないでしょうか。けれど、試してみるにはいくつかのハードルを越えなくてはなりません。

まずはともにSMを楽しんでくれるパートナーが必要ですし、 “S男性”に出会えたところで、その人が必ずしも、自分が抱いている願望を叶えてくれるとは限らない。それどころか、嫌なことをされたり、最悪の場合は、怪我やレイプなどの、危険な目に遭う可能性だってあります。

「ちゃんとSMの技術を持ったS男性と、安全にプレイがしたい」

そんな女性の願いを叶えてくれるのが、今年の5月18日にオープンしたM女性向けのSM店『Lotus(ロータス)』です。おそらく、こういったコンセプトを持つ女性向け風俗店は日本初。

「いったい、どんなことをしてくれるの?」「どんな男性キャストが所属しているの?」と気になることだらけ。そこで、今回はオーナーの芙羽忍さんにお話を聞かせていただきました。

日本初・M女性向けのSM店をオープンしたきっかけ


『Lotus』オーナーの芙羽忍さん

――そもそも、『Lotus』をオープンさせようと思ったキッカケってなんなのでしょう?

芙羽忍(以下、芙羽):もともとわたしは緊縛師で、女子縄会というものを主催しているんです。

――縛りを教えてもらう会ですか? 

芙羽:いえ、それはまた別で。緊縛体験会といいますか、縛られたり、そこの集まった女性たちと、お互いの性欲の話をする会です。女性に限定した縄サロンですね。

そこに出入りしている女性で、絶対に叶わない夢を持っている子がいて。その子はレズビアンなんです。だから、女王様に責められると嬉しくなっちゃうから、彼女にとってはSMではないと。

でも、「嫌なことされたい」って望んでいて。だから必然的に「オジサンになにかされたい」ってことになる。だけど、概念としての“汚いオジサン”はいいけど、本当に汚いオジサンは嫌だっていうんです。そりゃあ、そうですよね。だから「わたしの夢が叶うことはない」と言っていて。

“イカせてあげるよオジサン”に頼る女性たち

芙羽:巷にいる“イカせてあげるよオジサン”は知っていますか?

――SNSで活動しているエロアカウントの人たちですよね。「君はまだ本当の快感を知らない」が口癖で、子宮口開発をウリにしてる“ポルチオオジサン”とか、局部にノータッチでイカせることが出来るのが自慢の“脳イキオジサン”とか。

芙羽:そう。「パチンと指を鳴らされて、『さぁ、イケ!』って言われて、どうしようと思いました」って話を、その縄女子会に来ているひとりがしていましたけど(笑)。

でも、彼女は「(願望を叶えるために)そういう人のところに、行ったほうがいいのかな」とまで思い詰めていた。わたしの主催している縄会で、リビドーを小出しにして解消はしていたものの、どうしても煮詰まると、「汚いオジサンに踏みつけられたい」って、考えてしまうと。

――性衝動を抑えるのって、なかなか難しいですよね。

芙羽:そうなんですよ。そういった相談や愚痴は以前から何人かの別の女性からも聞いていたのもあって、その話を聞いた翌日には、M女性向けのSM店をオープンさせることを決めました。ニーズがあると確信して。

――なるほど、女性のナマの声がキッカケになったんですね。

男性スタッフには“女心”を教えている

――これまでって、女性が性に課金するのって、ハードルが高かったじゃないですか。

けど、昨年話題になったレズ風俗しかり、女性向け性感マッサージしかり、少しずつ、女性がお金を払って快感を得る土壌が出来てきている気もします。

芙羽:実は「払う」と決めたら、女性のほうがちゃんと払うんです。男性は終わったものには払いたくない(笑)。それに、実はSMって「お金を払わないと、会いにいけない人」って感覚が強いんですよ。

売れっ子の女王様って、“お金を払ってサービスをしてくれる人”ではなく、“お金を払わないと会えない人”なんです。そのふたつって、全然感覚が違う。後者とされるくらい価値のある男性キャストを育てたいなと思っています。
 
男性スタッフの講習の様子

――それは、女王様を長くやっていた芙羽さんだからこそ出来ることだと思うんですが、実際に、男性キャストの教育には、どういったことを気を付けていますか?

芙羽:うちの店の場合は、技術と合わせて女心も教えています。

――エスコートの仕方ですか?

芙羽:エスコートの仕方も大切なんですけど、例えば、講習で実際にキャストの男性たちがざわついていたのが、「乳首を、正面からねじるみたいに触らない」っていうことを教えた時ですね。おっぱいは乳房もあって、いじめるのもいいけど、いきなり乳首からこられたら、女は嫌だよって。

――ああ、男性は乳首、好きですよね。たぶん多くの人が、一番感じる場所だって思ってるし、SMで責めるなら、乳房ではなく乳首だって思ってる気がします。

芙羽:SMでおっぱいを責めるっていうと、まずは乳首をねじればいいと。乳首にクリップをはめたり。「それは違う」っていうと「SMなのに?」ってビックリされたりしますね。

セックスではわかっていても、SMになると途端にわからなくなる。それに、乳首を触るなら、前からではなく後ろに回って、例えば右手を女性の身体に回して、左の胸を触る、そうすれば抱きしめられる上に、左手は自由になるじゃないですか。そういうテクニックを教えてます。

――たしかに、同じ乳首をひねられるのでも、正面からされるのと、後ろから抱かれて、腕を回されてするのとでは、全然感じるものが違いますよね。酷いことはするけれども、身を委ねることが出来る安心感も同時に与える。そういうテクニックを教えてるわけですね。

芙羽:そうです。そもそも男性はマイナス20スタートなんですよ。多くの女性は、相手が知らない男性だと、どんなイケメンでも個室に一緒にいるとどこか緊張します。そのマイナス20を埋める方法を、わたしが講習で教えています。

性器でイクよりも、もっと気持ちいいことを



――具体的なプレイでいうと、何ができるんですか?

芙羽:なんでもですよ。緊縛も、踏みつけも、スパンキングも、ビンタも。呼吸管理、軽い首絞めからハードなものまで。鞭もあるし、拘束もある。水責めとかアナルとか。

SMってなんでもできるんですよね。範囲がすごく広い。むしろ、性器に固執するようなことは、あんまりしない。

――バイブとかローターで責められたいって女性も多いような気がするんですが。

芙羽:もちろん使ってもいいですよ。でも、バイブとかローターって、ひとりのオナニーの時にいくらでも使えるじゃないですか。ひとりで出来ることを、お金払ってまでやってもつまんないんじゃないかな。プレイの最後に「もしも性器でイキたければどうぞ」くらいの感じです。

――SMを通して、性器でイクよりも、もっと気持ちいいことが、発見できるっていうことですよね。でも、各々したいプレイとか、したくないプレイってあると思うんです。それは、どう伝えればいいですか?

芙羽:初回は20分のカウンセリングタイムをつけています。当人同士で話し合ってもらうための時間です。

――ハードなプレイ以外にも対応してもらえるんですか。例えば縛られて、バイブが入ってるところを見られるような、羞恥プレイとか。

芙羽:もちろん、全然ありです。ただバイブやローターに関しては、持ち込みにしてもらっています。女性は他の人が使ったバイブに抵抗があると思いますし、形の好みもいろいろありますよね(笑)。

――そうですね。ということは、やりたいことを自分で考えてきて、リクエストするか、もしくは全部男性にお任せするかっていうどちらかになるんですね。

芙羽:そうですね。でも、明確な願望を持ってない人のほうが多いと思うんです。それに、例えば、蝋燭1本であっても、わたしが教えてるやり方って、たぶん素人の人で世の中に出来る人はほぼいないんですよ。

それこそ、プロの女王様で、本当に売れている人しかやらないこと。「蝋燭で責められるのが好きです」っていう女性でも、普通に垂らされることしか知らないと思うんです。けど、それだけじゃない。もっと先がある。

そういう、「いま知らないこと」の隙間を埋めてあげられていったらいいなって思います。(大泉りか/ライター)

店舗情報

『Lotus(ロータス)』公式HP:http://lotusxoxo.xyz/
料金は60分9000円~。詳しいシステムなどはこちらから。
ツイッターアカウント:https://twitter.com/Lotus0xoxo

芙羽忍(フワシノブ)
某老舗SMクラブで十年女王様を勤めた後、引退後は緊縛師として活動。一迅社から写真集『緊縛男子』が好評発売中。

(オトナのハウコレ編集部)

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